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※アフィニトールの結節性硬化症における効能又は効果は「結節性硬化症」です。

診断基準

結節性硬化症の診断基準の変遷

現在の結節性硬化症の診断基準は、1988年にGomezによって提示された診断基準が原型になっています。その診断基準では、臨床症状が層別化され、特異性に応じて重み付けがされている複雑なものであったため、1998年7月にMarylandのAnnapolisで開催された結節性硬化症のConsensus Conferenceにおいて、Gomez基準を簡素化し、結節性硬化症および分子遺伝学的研究から最新の知見を反映して改訂された診断基準(修正Gomez基準)が提唱され、現在はこの診断基準が用いられることが多くなっています(表1)。
なお、日本皮膚科学会が提唱する結節性硬化症の診断基準も、修正Gomez基準を遵守したものです。

現在の診断基準では、結節性硬化症は、全身に発現しているさまざまな臨床症状を組み合わせて確定診断がなされています。
結節性硬化症の原因遺伝子として、TSC1遺伝子またはTSC2遺伝子が同定されていますが、結節性硬化症患者の10~15%の症例では、遺伝子検査で変異が検出できないことが報告されています。検出できない理由としては、変異を検出する方法の問題、プロモーター領域やイントロンの変異、モザイクの存在があげられます。
最近、TSC1遺伝子とTSC2遺伝子のモザイクの報告があることから、遺伝子検査や遺伝的な説明に際しては、体細胞および生殖細胞におけるモザイクの存在についても念頭に置く必要があります。詳細は、TSC1/TSC2遺伝子変異型と臨床症状をご覧ください。

結節性硬化症の診断基準

結節性硬化症の診断基準に用いられる修正Gomez基準では、①大症状(結節性硬化症に特異性が高い症状)と、②小症状(結節性硬化症に特異性が低い症状)の組み合わせにより結節性硬化症の診断がなされています。

結節性硬化症の確定診断には、同じ器官系に同じタイプの複数の病変が認められるよりも、むしろ2つ以上の異なる病変が必要とされます。
例えば、大症状である腎血管筋脂肪腫(腎AML)のみでは、結節性硬化症が疑われる「Possible TSC」ですが、確定診断には至りません。
結節性硬化症の確定診断には、大症状が2つ、または大症状が1つと小症状が2つ認められることが必要となります。

表1 結節性硬化症の診断基準(修正Gomez基準)

Definitive TSC:TSCであることが確実
  ・大症状が2つ、または大症状が1つ+小症状が2つ認められる場合
Probable TSC:TSCの可能性が高い
  ・大症状が1つ+小症状が1つ認められる場合
Possible TSC:TSCが疑われる
  ・大症状が1つ、または小症状が2つ以上認められる場合

大症状 小症状
大症状 ・顔面の血管線維腫または前額部、頭部の結合織斑
・非外傷性多発性爪囲線維腫
・3つ以上の白斑
・シャグリンパッチ
・多発性の網膜の過誤種
・大脳皮質結節*1
・上衣下結節(SEN)
・上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)
・心横紋筋腫
・肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)*2
・腎血管筋脂肪腫(腎AML)*2
小症状 ・歯エナメル質の多発性症小腔
・過誤腫性直腸ポリープ*3
・骨シスト*4
・放射状大脳白質神経細胞移動線*1,4,5
・歯肉の線維腫
・腎以外の過誤腫*3
・網膜無色素斑
・散在性小白斑
・多発性腎嚢胞*3

*1 大脳皮質結節と放射状大脳白質神経細胞移動線の両症状を同時に認める場合は1つと考える。
*2 肺LAMと腎AMLの両症状がある場合は、Definitive TSCと判断するには他の症状を認める必要がある。
*3 組織診断があることが望ましい。
*4 レントゲン所見で十分である。
*5 3つ以上の放射状移動線は大症状に入れるべきだという意見もある。

Roach ES, et al. J Child Neurol 1998; 13: 624-628

生殖細胞モザイクの診断基準

1.一組の夫婦で2人以上の子供が結節性硬化症に罹患している
2.夫婦のいずれも結節性硬化症の症状を持たない
上記 1、2を満たすときに生殖細胞のモザイクと診断する

難病情報センター ホームページ(2012年11月現在)

参考文献
結節性硬化症の診断基準・治療ガイドライン作成委員会; 金田眞理, 他.:日皮会誌 2008; 118: 1667-1676

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

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