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※アフィニトールの結節性硬化症における効能又は効果は「結節性硬化症」です。

年齢期ごとに特徴的な臨床症状

図 てんかん、SEGA、腎AML、肺LAMの発現年齢
  • 症状の概要

  • 乳児期

    (0~1歳)

  • 幼児期

    (1~6歳)

  • 学童期

    (7~12歳)

  • 思春期

    (13~19歳)

  • 成人期

    (20歳~)

結節性硬化症は、脳、腎臓、心臓、肺、皮膚、眼などの全身に過誤腫を形成する、常染色体優性遺伝性の疾患です(図1)。
全身にわたる多彩な臨床症状は、重症度も発現時期も非常に多様な個体差を呈します。

結節性硬化症の年齢期ごとの臨床症状発現時期

結節性硬化症では年齢期ごとに発現する特徴的な臨床症状があります。
胎児期には心横紋筋腫が好発し、新生児期あるいは出生後比較的早期には皮膚症状の白斑、てんかん発作、精神遅滞、自閉症などが発現してきます。
小児期に腎嚢腫、上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)、10代以降で腎臓の腫瘍(腎AML)、思春期以降には、顔面の血管線維腫、シャグリンパッチ、爪囲線維腫などの皮膚症状が発現してきます。
20代後半の特に女性で肺の過誤腫(肺LAM)などが好発します。
その他、網膜の過誤腫や、骨症状、肝臓の腫瘍、頬粘膜や歯肉、口蓋、歯などの歯科口腔外科領域にも病変が認められます。

年齢期ごとに特徴的な臨床症状の発現時期を考慮しながら、必要に応じて各病変の専門医と連携をおこないながら、定期的なモニタリングを継続していくことが重要です。

図1 結成性硬化症の年齢期ごとの特徴的な臨床症状

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

乳児期(0~1歳)に多く出現、顕著な所見……てんかん、心横紋筋腫、白斑

  • てんかんは生後4~6ヵ月頃から発現し、結節性硬化症患者の84%に認められます。治療抵抗性の場合やWest症候群(点頭てんかん)では、発達障害を伴う確率が高いといわれており、患者のQOLの観点からもてんかんコントロールは重要です。

  • 心横絞筋腫は胎児期または早期乳児期に発現し、結節性硬化症患者の50%に認められます。そのほとんどが幼児期に自然退縮しますが、10歳未満の主な死因でもあり、重篤な場合には手術が必要です。

  • 白斑は生下時から生後数ヵ月以内の早期に発現し、結節性硬化症患者の87~100%に認められます。典型的な臨床症状は、1cm以上の一方の端が細く尖った楕円形の白斑で、葉状白斑と表現されます。3つ以上の白斑は結節性硬化症に特異的なものとされています。通常、治療はおこないません。

  • 結節性硬化症に伴う臨床症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧と頻度はこちらをご覧ください。

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

幼児期(1~6歳)に多く出現、顕著な所見
……発達障害(精神遅滞、自閉症、注意欠陥多動性障害(ADHD))

  • てんかんは結節性硬化症患者の84%に合併し、中でも幼児期のてんかん発作は結節性硬化症患者の65%以上にみられます。治療抵抗性の場合やWest症候群(点頭てんかん)では、発達障害を伴う確率が高いといわれており、患者のQOLの観点からもてんかんコントロールは重要です。     

  • 発達障害(精神遅滞、自閉症、ADHD)のうち、精神遅滞は生後4~6ヵ月、自閉症は幼児期から認められることがあります。てんかん発作が抑制できず脳が障害されることが原因で発達障害を発症するリスクが高まります。それぞれの発現率は、精神遅滞が40~70%、自閉症が25~50%、ADHDが30~60%と報告されています。結節性硬化症患者の治療フォローにあたっては、専門医と連携して発達訓練や療育に取り組むことが大切です。

  • 結節性硬化症に伴う臨床症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧と頻度はこちらをご覧ください。

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

学童期(7~12歳)に多く出現、顕著な所見
……顔面血管線維腫、上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)、網膜過誤腫

  • 顔面血管線維腫は結節性硬化症に特異的な皮膚病変で、5歳以上の結節性硬化症患者の80%以上に認められます。乳幼児期初期にはvascular spider(クモ状血管腫)様の病変として認められ、5歳頃になると血管線維腫らしい形状が完成して、思春期頃になると皮疹が著明に発現します。鼻部、鼻唇溝部、頬部を中心に顔面の中央部、左右対称的に蝶形に現れ、下顎部にも認められます。目立つ部位のため患者のQOLにも影響することがあります。

  • 脳の良性腫瘍である上衣下巨細胞性星細胞腫(SEGA)は出生時あるいは出生後の比較的早期に認められる結節性硬化症に特異的な脳病変で、発現率は調査により異なり6%以上と報告されています。十分な大きさに達するまでは臨床症状は出ませんが、SEGAは10~40歳の死因として重要であり、定期的な画像モニタリングが重要です。
    SEGAに使用可能となったアフィニトール®(一般名 エベロリムス)に関してはこちらをご覧ください。

  • 網膜過誤腫は結節性硬化症患者の約50%に認められる最も頻度の高い眼所見で、加齢とともに発現頻度が高くなる傾向があります。網膜過誤腫は通常無症状で、大部分は石灰化して視力に影響を与えることはありません。まれに増大して網膜剥離や硝子体出血などの合併症を伴う場合があるため、眼病変のある患者の管理には眼科専門医との連携が重要です。

  • 結節性硬化症に伴う臨床症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧と頻度はこちらをご覧ください。

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

思春期(13~19歳)に多く出現、顕著な所見
……シャグリンパッチ、腎血管筋脂肪腫(腎AML)等

  • シャグリンパッチは、結節性硬化症患者の5歳以下では25%、5歳以上では50%に認められる皮膚病変です。通常色素沈着した皮膚で覆われ、不規則な境界線と粗い表面を有する楕円形の結合組織像を呈します。背部、特に腰仙部、腹部に非対称性に好発し、通常、思春期以降に発現します。10㎝以上の大きさの病変がある場合は、患者の希望を考慮して外科的切除をおこないます。

  • 腎血管筋脂肪腫(腎AML)は、結節性硬化症患者の60~80%に認められると報告されていますが、調査により発現率はさまざまです。初発年齢は乳幼児期のこともありますが、通常3歳以降に認められ、加齢とともに増加します。無症状で血液検査等でも異常が認められませんが、腫瘍が増大すると自然破裂や急性出血による大量出血性ショックや、腎機能低下のリスクが高まるため、定期的なモニタリングが不可欠です。
    成人腎AMLに使用可能となったアフィニトール®(一般名 エベロリムス)に関してはこちらをご覧ください。

  • 結節性硬化症では、1つあるいは多発性の腎嚢胞が認められることがあります。通常は無症状ですが、腫瘍が大きくなると腎機能障害や高血圧の原因になることがあります。

  • 結節性硬化症に伴う腎腫瘍は、良性である場合がほとんどですが、まれに悪性腫瘍(腎細胞癌)が発現することがあります(結節性硬化症患者での発現率は5%未満であり、一般人口と同じレベル)。一般の腎細胞癌の罹患年齢よりも若年で発現しやすいと報告されています。

  • 結節性硬化症に伴う臨床症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧と頻度はこちらをご覧ください。

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

成人期(20歳~)に多く出現、顕著な所見
……腎血管筋脂肪腫(腎AML)、爪囲線維腫、肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)

  • 腎血管筋脂肪腫(腎AML)は、結節性硬化症患者の60~80%に認められると報告されていますが、調査により発現率はさまざまです。初発年齢は乳幼児期のこともありますが、通常3歳以降に認められ、加齢とともに増加します。無症状で血液検査等でも異常が認められませんが、腫瘍が増大すると自然破裂や急性出血による大量出血性ショックや、腎機能低下のリスクが高まるため、定期的なモニタリングが不可欠です。
    成人腎AMLに使用可能となったアフィニトール®(一般名 エベロリムス)に関してはこちらをご覧ください。

  • 爪囲線維腫は結節性硬化症患者の15~52%に認められる皮膚病変で、30歳以上の結節性硬化症では88%がこの病変を呈しているという報告もあります。爪の基部、爪甲上、爪甲縁から生じる、正常な皮膚色から紅色の長楕円形の軟骨様硬の腫瘤で、手の爪より足の爪に顕著に認められます。日常生活に支障がある場合は外科的切除の対象とされます。

  • 肺リンパ脈管筋腫症(肺LAM)は結節性硬化症患者の26~40%以上に認められる肺病変で、特に妊娠可能な年齢の女性に好発します。肺LAMの初期は無症状の場合がほとんどですが進行性で、労作時呼吸困難、繰り返す気胸、気胸に伴う胸痛、咳、痰、血痰などの呼吸器症状を呈し、呼吸機能が経年的に悪化します。一方で、進行速度は個人差が大きいのが特徴ですが、40歳以上の主な死因の一つです。肺LAMの治療は、呼吸器内科専門医による管理が望ましいとされています。      

  • 結節性硬化症に伴う臨床症状については、定期的にモニタリングをおこなうことが大切です。検査の一覧と頻度はこちらをご覧ください。

監修:鳥取大学名誉教授 大野耕策 先生

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